†序章†

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「そなた等に、一言言いたい事がある」 「………何ですか?」 三郎が、一歩前にでて先を促す 私は、周りを見渡し、ゆっくりと目を閉じ、一言伝える 「皆は逃げよ」……と その言葉に、皆はバッと立とうとするが、手を前にかざし、制する 思えば、今日の日まで、いろいろあったものだと、思いだし、苦笑をもらす そして、にっと笑いながら、三郎達に言い放つ 「私の最後は決まっておる。皆の最後もな。だが、私はそのような運命などというものに、負けたくはないのよ。皆が逃げ、生きる事で、勝つのだ。これも戦よ。戦に、勝つ。負けるわけにはいかんのだ」 「義経様…………」 「義経様っ……」 「義経さまっ………」 三郎達は涙を流しながらそれぞれ呼ぶ 思えば、この8年、よく使えた。 もっと先の年でも、親身になって私を支えてくれた………輩がいた だが、もう、よい。 我のために、 命を無駄に捨てるな
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