2人が本棚に入れています
本棚に追加
「亀の字…何してるんや」
き、金ちゃん!
「人の髪いじくりまわしおって」
「ご、ゴメン…。」
「…。」
どうしよう…。
怒ってるよね…。
「…解ってる…。」
え?
「な、何が?」
「だ、だから!解ってる言うとんねや!」
そう言うと君はそっぽを向いた。
「…?」
覗き込むように顔を近付けると、突然、耳を引っ張られた。
「ちょ、金ちゃん…。」
驚く僕に金ちゃんは、
「…ポソポソ…。」
耳元で君が呟く。
君の顔が赤い…。
嘘でしょ?
だって…。
「き、金ちゃん…。」
僕が驚いた顔で君を見ていると、突然、ネクタイを掴まれて、引き寄せられた。
そして君は赤い顔をしながらドスのきいた声で、
「お前だけが想てるなんて思とんなよ!俺かてお前以上に想とるわ!」
そう言って、ネクタイを放すとふてくされる様に向こうを向いた。
なんだ…。
僕だけじゃなかったんだ…。
思ったよりも以外と近かったんだ…。
僕が気付かなかっただけで…。
君の小さな声で言ってくれた言葉、僕は一生忘れない。
今までの中で一番嬉しくて、最高の言葉…。
僕は笑顔で、皆の目を盗んで、君の唇に僕の唇を重ねた。
君との初めてのキスは忘れられない魅力的な味がした。
最初のコメントを投稿しよう!