金色(こんじき)に口付けを

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「亀の字…何してるんや」 き、金ちゃん! 「人の髪いじくりまわしおって」 「ご、ゴメン…。」 「…。」 どうしよう…。 怒ってるよね…。 「…解ってる…。」 え? 「な、何が?」 「だ、だから!解ってる言うとんねや!」 そう言うと君はそっぽを向いた。 「…?」 覗き込むように顔を近付けると、突然、耳を引っ張られた。 「ちょ、金ちゃん…。」 驚く僕に金ちゃんは、 「…ポソポソ…。」 耳元で君が呟く。 君の顔が赤い…。 嘘でしょ? だって…。 「き、金ちゃん…。」 僕が驚いた顔で君を見ていると、突然、ネクタイを掴まれて、引き寄せられた。 そして君は赤い顔をしながらドスのきいた声で、 「お前だけが想てるなんて思とんなよ!俺かてお前以上に想とるわ!」 そう言って、ネクタイを放すとふてくされる様に向こうを向いた。 なんだ…。 僕だけじゃなかったんだ…。 思ったよりも以外と近かったんだ…。 僕が気付かなかっただけで…。 君の小さな声で言ってくれた言葉、僕は一生忘れない。 今までの中で一番嬉しくて、最高の言葉…。 僕は笑顔で、皆の目を盗んで、君の唇に僕の唇を重ねた。 君との初めてのキスは忘れられない魅力的な味がした。
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