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雨で霞んだ敵陣地から石炭バケツのようなヘルメットを被ったドイツ兵が前進してくるのが双眼鏡ごしに見える。
「正面、向けえ!!!」
兵士達が疲れきり、雨でつぶ濡れになった体に鞭打って発射踏台に上がる。その様は、まるで老人の様でとても兵士には、見えない。
「射程300ヤード!!みんな落ち着け!!」
ドイツ兵は、どんどん弱点の鉄条網の切れ目に向かって来る。当然、こちらも機関銃を配置したし、両端に有る水冷式の重機関銃も期待出来るが果たして十分だろうか??
「狙え!!」
もう自分には、祈るしかない。自分がミスを侵して無い事を・・・
「200ヤード切りました!!まだですか!!大尉
殿!」
マキャン軍槽が叫ぶ
「まだだ!!今撃ったら伏せられる!!100まで引き付ける。」
焦って早く撃てば敵は、伏せてしまう。そうすれば弾が当たらなくなる。
「解りました!100まで引き付けます。糞!!」
早く撃ちたいのだろう。みんな怖くて仕方がないのだ。
「150です!!大尉!」
「まだだ!落ち着け!!」
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