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「お前、一回会ったことあるだろ?いきなり俺ん家来た時にバッタリ遭遇してたじゃねぇか」
グルグルと回る、勉強机に設置されたイスに跨がり、押したのは親友の電話帳。
藤堂 悠真は直哉に電話を掛けていた。
暇なとき電話するのはどうしても直哉になってしまう。
「バッタリ遭遇しちまったのだって、一人じゃねぇじゃねぇか。俺が覚えてるだけで、十人以上はいるぜ?」
笑って、そうか?と聞く親友。
直哉の遊び癖は、半端じゃない。何度、泣いてる女たちを見たことか。
それでも、俺はこいつを親友だと思ってるし、注意する気もない。
第一、恋愛なんかしたことも、興味もない悠真がなんとか言えることでもなかった。
今は、友達といた方が楽しい。恋愛するなら他にやらなくちゃいけないことは山程ある。
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