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はぁ・・・。
今日何度目かわからないため息に、萩本 結衣の友人。夏目 水樹は呆れた目を向ける。
「・・・今日は何?」
その口調からは、彼女が毎回のようにこの様子だということが見て取れる。
「私、彼氏と別れようかな、って・・・思って」
結衣の呟きに水樹は、驚きを交えながらも、慣れた様子で聞く。
「また?・・・まだ、ダメなの?」
「うん・・・。やっぱ私、付き合うのとか向いてないみたい」
結衣の消えてしまいそうな儚い笑顔に、水樹は顔を歪めた。
結衣は、彼氏恐怖症だった。
そこまで深刻なものではなく軽いものだが、昔、彼氏に強く束縛されたのが原因で、彼氏を怖いと思うことが多々あるのだ。
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