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アドレスを交換し終わったあと、奈美が口を開いた。
「でも、あたしのアドレスなんか聞いて良かったの?」
結衣は奈美の言葉の意図がわからなかった。
「あたしなんかと仲良くしてると、結衣も悪く言われるわよ?実際に今だって・・・」
奈美が言い終わらないうちに、結衣が、なんで?と言葉を発した。
「だって私たち、友達じゃん。そんなこと関係ないよ?私が仲良くしたいだけだもん。奈美は嫌?」
そう言い切った結衣に、柄にもなく涙が出そうになった。
初めてそんなことを言われた。
初めて、本当の友達ってものができる気がしたんだ。
なんて言ったらわからないけど、取り敢えず結衣に伝えたかったこと。
「・・・ありがとう」
結衣にしか聞こえないような小さな声で呟くと、結衣はどういたしまして、と笑顔で言った。
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