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「本当にごめんね・・・。一人じゃ持ちきれなくて」
申し訳なさそうに結衣は謝る。
「大丈夫。こういうときは頼っていいよ」
重そうな荷物を率先して持ち、優しい笑顔を向ける直哉。
さすが、モテる男の子は違うなぁ、と結衣は思っていた。
少し苦手なタイプだったけれど、女の子が好きになってしまうのはしょうがないかもしれない。
「これで最後だよな?」
「うん、ありがとう。助かりました」
教室に戻り、一息つくと、直哉の電話が鳴る。
やべっ、マナーモードにするの忘れてた。
画面を見てみると、表示されたのは遊んでる女の名前。
さすがにここで出るわけにはいかないし・・・。
「電話?出て大丈夫だよ?もしあれだったら、私教室から出て・・・」
結衣が言い終わらないうちに、電話を切る。
「いや、急用じゃないし後で掛け直すから大丈夫。それに・・・」
手を掴んで引き留めたまま言う。
「萩本さんと今は一緒にいたいし」
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