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「あんた達のせいよ。」
沈黙を破ったのは麗だった。
「あんた達が旅行なんて言って此処に連れて来なければ・・・!」
どきっとした。
確かに、私達が提案しなれば聡君や彼方君がいなくなる事も、
皆がこんなに取り乱す事もなかった・・・。
「ごめっ「謝ることねぇよ。」」
平田の声が私の声に被さった。
「麗、悔しいのはよく分かる。
けどな、こいつ等にあたるのは間違ってるんだよ。」
「二人だって思いもしない出来事に恐怖して、焦ってるんだよ。」
巻野が続く。
「そんな事言うならな、来なきゃ良かったんだよ。
強制じゃなかっただろ。」
改までもが言った。
しかも皆、口調がキツイ。
麗を可哀想だと思う程に。
麗だって彼氏が消えてツライんだから。
きっと気持ちは一緒・・・だよ、ね?
「なら、来なきゃ良かったよ!!」
麗が叫んだ。
「あ!麗っ!」
大きな音をたててドアを閉めた。
外に出ていってしまったのだ。
それっきり麗もまた、帰っては来なかった。
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