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「早く…それをぉ…渡せぇ………!」
土方は目をギラつかせて、ジリジリと迫る。
「おおおお沖田さん!やはり来ましたかって言うなら何か策が!?」
「ないです」
「ぅそぉ!?」
「周りをもっと警戒するべきでしたね」
ボソボソ…
なにやら廊下から声が聞こえる。
「!」
沖田は何かを聞き取ったようで目を見開いた。
「斎藤さん!ここに間者が!うっかり近くに刀がありませんでした!間者はこっちを向いているので早く打ってください!」
沖田は突如叫び出した。
「総司…?何言ってんだ?」
土方は何がなんだかわからないといった顔をしている。
「なに!?」
パシィィィィン!
「ってぇ!」
胴着を来て竹刀を持った男がいきなり部屋に入って土方を打ったのだ。
「土方さん?すまない……」
この男は斎藤 一。
新撰組三番隊隊長。
無表情でよく読めないが剣の腕が沖田と並ぶほどいい。
ちなみに沖田、永倉、斎藤が新撰組でトップの剣士だ。それぞれ違った強さがあり、未だ誰が一番なのかはわからない。この三人は撃剣師範も務めている。
「斎藤くん…また強くなったな…」
「あ。ありがとうございます」
「くたばりませんでしたかぁ…」
「さぁ美海。総司。来てもらおうか」
土方はニヤリと笑う。
形勢逆転だ。
ガシッ
ズルズルズルズル
「ぃやぁぁぁぁあ!」
美海と沖田は土方に引きずられていった。
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