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バサッ
『誠』と書かれた旗が蒼い空に向かい、立っている。
京の街並みを茶色い頭の少年と竹串をくわえた少年を先頭に颯爽と歩く団体。
彼らは浅葱色のダンダラ模様の羽織を着ており、道行く者は皆、道を開ける。
「キャー――――――!」
近くの呉服屋から叫び声が聞こえた。
茶髪の少年と串をくわえた少年はニヤリと目を合わすとその方角に走り出した。
バタバタバタバタ!
ガラッ
「御用改めである!新撰組だぁ!」
「な!立花 美海に沖田 総司!?…チッ…面かるぞ!」
ダッ
「美海さん!」
「はい!」
ドスッ
バタッ
「大丈夫です。峰打ちですよ。さっさと捕まってください」
美海と呼ばれた少年は走ってきた浪士を峰打ちした。
茶髪の少年は立花 美海。現在19歳の少女だ。
美海は新撰組最年少で、新撰組にはかかせない剣の使い手でもあり、医者だ。
現代では、附属病院の最年少で医者の卵であった。
文武両道。なんでもできた。
学生時代、剣道をしており、優勝常連者であった。
約1年前、手術室で倒れた後、気が付いたら江戸時代、幕末の京にいた。
副長の土方を打ち破り、現在新撰組にお世話になっている。
江戸時代ではあり得ない茶髪と、黒い刀で京の有名人だ。急所を一気に刺して相手を倒すという得意技があり、『黄金の蜂』という異名がついている。
目元が涼しく、鼻筋も通っている。容姿端麗とは正に美海の事だ。
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