新 撰 組

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「ひ…ひぃぃぃ…!」 残りの浪士は怯えきっているものの、未だ刀を向けている。 「ちょっと~やめときなさいよ。どうせあなたたちが負けるんだから。痛くなくて捕まるほうがましでしょ?」 「沖田…なめやがって…!」 浪士達は意を決したように刀を構え、走り出した。 「はぁ…やるんですか…」 ペッ 少年は刀を構えると、口から竹串を吹き出した。 ドッ ドンッ ガンッ! バタ… 速かった。この少年は浪士達を1人で峰打ち、足蹴で倒したのだ。一見華奢だが、その脚力と剣の腕は怪物ものだ。 「ふぅ…」 この少年は沖田 総司。 新撰組一番隊隊長。 髪は蒼に近い黒で優しそうな顔つきの好青年だ。 新撰組で1.2を争う程の剣の使い手である。 得意とする技は三段突きというものだ。 美海が来るまでは新撰組最年少であった。現在20歳である。 ちなみに極度の甘党だ。 天然理心流である。 「終わりましたね。じゃあ連れて帰りましょうか!」 隊士が浪士に縄を掛けている。 彼ら一番隊は今日、街の巡回に来ていたのだ。 新撰組は会津藩御預りの治安隊で京の治安を守るため、過激派不逞浪士や論者を取り締まっている。 彼らは『人斬り集団』などと呼ばれるが、本来なら捕縛の所、大抵は相手が斬りかかってくるため、やむ無く斬るのである。 そんな彼らは冷酷なのかと言われればそうではない。
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