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美海と沖田は『新撰組屯所』と立札が掛けられた門をくぐる。
「美海~総司~!巡回帰りか!?」
「原田さん!何してんですか!?」
原田と呼ばれた大柄なかなりの美男子は筋肉質な腹を空に向かい出している。
「何してるって、俺の勲章を太陽に晒してるんだぜ!」
勲章とは腹にある一筋の切腹痕だ。
原田 左之助。
新撰組十番隊隊長。
大柄だがかなりの美男子だ。ただ少し、否かなりの馬鹿で過去に切腹の経験有り。槍を得意とする。
二番隊隊長の永倉とは特に仲がいい。
種田宝蔵院流だ。
「そ…そうなんですか…」
美海の顔がひきつる。
「お!美海!買い出し付き合ってくれねぇか?」
「永倉さん!嫌ですよ~」
美海は露骨に嫌そうな顔をする。
永倉 新八。
新撰組二番隊隊長。
新撰組で沖田と並ぶ剣の使い手。しっかりしているが、原田と仲が良いため二人で馬鹿をやっている。男らしい整った顔立ちだ。
神道無念流である。
永倉はチラリと沖田を見る。
「私は土方さんに報告にいかなきゃ駄目なんで!」
沖田はそう言うとピューッと廊下を走って行ってしまった。
「美海ぃ…前俺手伝ってやったよな?」
「それ大分前の一回きりじゃないですか!いつまでそのネタ引きずるんですか!」
「いつまでも」
ムッと美海はゲンコツをおみまいしようと思ったが、すんなりと避けられた。
「お願いだよ~左ノじゃ役にたたねぇんだよぉ…」
「なにぃ!?」
原田が目を見開く。
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