新 撰 組

9/13

7662人が本棚に入れています
本棚に追加
/858ページ
「原田くん…確かにそれはキモいだよ。止めた方がいいね」 山南は現代の言葉を上手く取り入れたつもりだろうが、何か間違っている。 「ははは…」 美海は苦笑いだ。 「皆さー――ん!ご飯ができましたよー!」 女中が呼んでいる。 夕食の時間のようだ。 「お!飯だ!いこぉぜ!」 「左ノ…そのまま行くのか?」 「ったりめぇよ!土方さんに酌でもしてやろう!」 美海はニヤリと笑う。 「いいですねぇ!」 「土方くんイジメも程々にね」 山南は苦笑いしている。 ガラッ 「飯めし♪」 食堂に入ったはいいものの、原田の不気味な姿に皆釘付けだ。 カタン 「美海さん…原田さんどうしちゃったんですか?」 美海が席に着くと、隣の沖田が耳打ちをする。 「あれで土方さんにお酌をするらしいですよ」 「へぇ」 二人は目を合わせるとニヤリと笑った。 沖田と美海は戦闘時に組んでも最強だが、土方に嫌がらせをすると誰も敵わない。 二人は土方に嫌がらせをすることに命を賭けている。 美海が来るまでは沖田一人でやっていたのだが美海が来てから更にヒートアップしてしまった。 「よぉし!皆揃ったかぁ?ではいただきます!」 「「「いただきまぁす!」」」 元気に夕食の音頭を取ったのは我らが局長、近藤 勇だ。 新撰組局長。 江戸にいたころは試衛館の道場主をしていた。 愛刀は虎徹だが、偽物だ。また原田とは違ったタイプの馬鹿だ。 どことなくゴリラににていて口にグーした手が入るらしい。
/858ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7662人が本棚に入れています
本棚に追加