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そこには、紅い髪を肩まで流して目は切れ長、大人っぽい雰囲気を漂わせながらもまだ子供っぽさが抜けない顔の少女がいた。
……ペッタンコ………
「なんだお嬢さんは?」
「今言っているのは私の事ではないっ!姫様になんと言う口の聞き方をしていると言っているのだ!!」
「いいのっ、シェリー!!」
「……しかしっ、姫様!」
「いいの…この方の言っている事は正しいわ……
私達の勝手で無関係の方の命の危機に晒して救世主様だのと祭り上げておいて、ムシのイイ話な事…そんな状況で浮かれているなんて許されるハズがありません。」
「姫様………」
「分かってんじゃねーか。だったらする事あんだろ?」
「……私達の勝手に巻き込むカタチになってしまったことを深くお詫び申し上げます。」
と言い深々と頭を下げる。
「姫様……くっ!」
シェリーと呼ばれた少女はグッと拳を握り下唇を噛み締める。
「そんな事じゃねんだよ!元の世界に戻せって言ってんだよ!!」
「貴様っ!!」
少女が敵意をあらわにするが関係無いとばかりに無視する。
元の世界に戻ったってどうしようもない事は分かっている。
家族を殺され戻る家もない。
だからどうしようもない怒りをぶつけ、八つ当たりしてしまっている事は分かっている。
そんな自分に更に苛立ちを感じている銀次郎に
「元の世界に帰す事はできません。」
と最後通告のような言葉がかけられた。
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