白の聖女とdisaster～第二章～

プロローグ

聖都ｾｲﾝｶﾞﾘｱより一人の聖女が旅立つ時より十年前。

世界三大大陸の一つ第二大陸『ﾂｳﾞｪﾙｶﾞﾙﾄﾞ大陸』。

第一大陸よりも資源に乏しく荒れ地や砂漠が多い大陸だが、それ故に国力に乏しい国家は領土拡大に踏み出せず戦争に繋がらない。

結果的に貧しいながら平和な情勢を保っていた。

その中の一つの国、『ｸﾚｲﾅｰﾄﾞ』。

この国は第二大陸でも緑の多い比較的豊かな資源を有しており、大陸内では最大の主要国家である。

今、一軒の屋敷に豪奢な馬車が到着した。

馬車が止まると一人の男が降り立つ。

煌びやかな衣装を纏い、威厳のある壮年の貴族。

その立ち振る舞いは貴族の肩書きに胡座をかいているだけの見せかけではないことがわかる。