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二人は屋敷の庭に来ていた。
そこにはテラスが設けられており午後の陽光が暖かく降り注いでいた。
そしてテラスには一人の少年が読書に勤しんでいた。
「ザイード。スレイザム将軍がお見えになったぞ」
ザイードと呼ばれた少年は読んでいた本に栞を挟むと二人の下に歩み寄って来た。
「将軍閣下。お会いできて光栄です」
ザイードは九歳の少年とは思えない位紳士然とした態度でスレイザムの前に跪いた。
「お主まで畏まるな。まったく、出来過ぎた童よ」
「恐れ入ります」
ザイードはそう言うと立ち上がりスレイザムの顔を見上げる。
「では行くか。王も後継者の到着に首を長くしてお待ちだろう」
そしてザイードを伴い、三人は再び馬車に乗った。
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