プロローグ

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クレイナード王城、謁見の間。 その正面の玉座に座しているのはクレイナード王『ロディオス・バイエルハイム・クレイナード』 小国に過ぎなかったクレイナードを一代にして大陸最大までにのし上げ、第二大陸の賢王として名高い。 しかし、その身は長年の酷使に悲鳴を上げ、老いを隠しきれなくなって来た。 未だに現役の王位に就いているが、跡取りは早急に迎えなければならない。 その王の前にはスレイザムを筆頭に後ろにグラハム親子が跪き王の言葉を待っていた。 「遠路よりご苦労であった。面を上げよ」 王の許しを得て三人は顔を上げた。 まず、言葉を発したのは将軍、スレイザム。 「此度は謁見の機会をお与え頂き、恐悦至極に御座います」 「うむ…………話は聞いておる。その子か?グラハムの息子と言うのは?」 王はゆっくりと首を巡らせザイードに目を向けた。
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