プロローグ

7/16
前へ
/294ページ
次へ
「お初にお目にかかります、国王陛下。ジルクリストが長子、ザイードと申します」 恭しく礼をするザイード。 王はこの態度にいたく感心した様子だった。 「幼さを感じさせんな。頼もしい限りだ」 「恐れ入ります」 今日からこの城で暮らし、王位を継ぐための教育を受ける事になるのだが、この様子なら心配はないだろうと、王は胸をなで下ろした。 王は玉座から立ち上がり、ザイードの下まで歩み寄った。 「余も既に老いさらばえた。いずれお主がこの国を背負うのだ。よろしく頼むぞ。新しい息子よ」 「この身朽ちるまで、王と王国のため尽力すると誓いましょう」 そうしてザイードは王城に迎えられた。 スレイザムとグラハムも交えた四人での会食では会話も弾み、今後城内で疎外されるようなことはないだろう。
/294ページ

最初のコメントを投稿しよう!

390人が本棚に入れています
本棚に追加