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「お初にお目にかかります、国王陛下。ジルクリストが長子、ザイードと申します」
恭しく礼をするザイード。
王はこの態度にいたく感心した様子だった。
「幼さを感じさせんな。頼もしい限りだ」
「恐れ入ります」
今日からこの城で暮らし、王位を継ぐための教育を受ける事になるのだが、この様子なら心配はないだろうと、王は胸をなで下ろした。
王は玉座から立ち上がり、ザイードの下まで歩み寄った。
「余も既に老いさらばえた。いずれお主がこの国を背負うのだ。よろしく頼むぞ。新しい息子よ」
「この身朽ちるまで、王と王国のため尽力すると誓いましょう」
そうしてザイードは王城に迎えられた。
スレイザムとグラハムも交えた四人での会食では会話も弾み、今後城内で疎外されるようなことはないだろう。
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