プロローグ

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驚愕に顔を歪ませるグラハムとスレイザム。 それもそのはず、その光景を見れば誰でもそうなるだろう。 二人が城を見た時、城の上部、約半分程がキレイサッパリなくなっていたのだ。 突然爆発して吹き飛んだ訳でもなく、突然ひびが入って崩れ去った訳でもなく、それを見た時まるで石を切り取ったかの様に、もとからそこには何もなかったのではと疑わせる程に音もなく消え去っていた。 事態は常識の範疇を超えていた。 暫し唖然とその光景を見ていた二人だが、現実に引き戻すように城の残った部分、元々城があった場所が爆発した。 爆発は連続で起こり、城はたちまち炎上した。 二人が城の異変に気付き唖然としていたものの、一分と経っていないだろう。 しかし二人は事態を瞬時に把握出来ずまるで何時間も身動きが出来ないでいるように感じた。 尚も爆発は続き城を破壊する。 真っ赤に染まった城は、クレイナードの栄光と未来と共に崩れ去っていった。
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