終わりの始まり あるいは..

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それは唯一、ブゥに操作が許可されている駆動車“多目的仕様耕運機”である。効率的生産という面で農作者にとっても、その出来高で収益が左右される政府にとっても必需品であるので各戸に国家所有物の貸与という形式で一台が渡されて燃料も定量が配給されていた。 しかしブゥが使用している機には他の者達の非力かつ低速しか出ない車両とは外見こそ違わないものの性能では格段に秀でているという秘密があった。これは彼以外誰も知らない事実で、そう成し得た経緯は過去に遡る。
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