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次に政府筋からの極秘指令・伝達事項ファイルを探り当て開いた。細かい指示、報告のメールが一日ごとに数えきれないくらい羅列されているが、今日に限っては途中までは同じペースで受信されているが、つい一時間ほど前の分が最後で未読のままだった。
よほど急いで配信されたらしく他のメールと違い、発信先が文字化けして判読出来ない。開いてみると
“至急警告!ワクチンに異常判明・注入停止を命ず”
とだけある。
すぐに思い当たった。先程の監視カメラの映像を再び呼び出してみる。やはり、事態に戸惑いながらも見るからに若い年代の人間は健康な様子で徘徊しているのが所々で確認された。
博士と同行していた助手も慌てふためいて走り去ったが肉体的な異常は認められなかったし、横にいるソラァも以前と変わらず元気なままだ。つまり、まだあの注射を打っていない者ばかりだ。
何代かにわたる臨床実験の末、手に入れた至高の人類の幸福だと博士が自慢気に力説した薬品にも、やはり落ち度はあったのだ。
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