終わりの始まり あるいは..

7/18
前へ
/60ページ
次へ
日が暮れ仕事を終えると簡素な食事を済ませ後は眠るだけという国家により指定された生活に以前は疑問を持つ事もなく従っていたブゥであるが、いざベッドに入っても無意識の底へと素直に落ちていける状態ではない。目を閉じても、そこにあの“壁”が立ちはだかってである。既に越境に挑む決意は固まっているものの何度も目撃したように、みすみす狙撃の標的になっては意味など無く、それが根幹を揺るがして現実化する考えから逃げているようにさえ感じられて来る。 眠れぬ頭で具体的というより、やはり希望や救いとして位置づけて夢見がちな方向でしか支えのない決意だからこうなってしまうと気付いた。 客観性のある方法から打ち立てていかねば...。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加