763人が本棚に入れています
本棚に追加
「見て、空がすごい青い!」
「風が気持ちいい!」
「ねえ、お母さんも来なよ。
海すごいよ」
口々に騒ぐ娘たちを眺め
智子は目を細め微笑んだ。
「はあい、すぐ行く」
ホテルを出て砂浜に出ると
深い青に輝く海が広がっていた。
白に近い砂浜の上を
サンダルで恐る恐る歩いていたが
なんだか気分があがって
娘たちと共に走り出した。
「どうだ、久々の海は?」
一足先にビニールシートの上でくつろいでいた夫の和夫が、智子に問いかけた。
五年ぶりの家族旅行。
智子の家族は、娘の中学卒業祝に
沖縄の海へ来ていたのだ。
「なんだか若返った気分になるわね」
和夫の隣に腰を下ろし、隣は言った。
最初のコメントを投稿しよう!