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肩で息を吸いながら、怯えたようにこちらを見ている男を見て、小さく笑った。
「なにがおかしい!」
怒鳴りつけるように、だが、微かに震えている声は、あまりにも説得力はなく、怒鳴りつけていると言うより怯えているようにしか見えなかった。
「俺だって不死だよ。好きでなった訳じゃないけどね」
悲しげな顔で、苦笑して彼を見れば、ただ怯えたように体を震わせているだけで、なにも言おうとはしなかった。
「俺だって不死だ………」
溜め息をついて地面を見下ろした時、小さな声で呟かれた声が聞こえ、顔をあげた。
「君は、不老不死をわかってない」
右肩がパックリと割れ、そこからは大量の血が流れ、左腕は、肩から無くなっており、そこからも大量の血が流れている。
そんな彼を見て、シオンは、また溜め息をついた。
「お前に言われなくてもわかってる!!不老不死は、死なない者のことだ!?」
そういうだろう、と予想していたシオンは、眉間に皺を寄せて首を軽く横に振った。
「君は、わかっていない………不死とは、君のような者ではないよ。そんなちっぽけな存在じゃない」
軽く彼を睨みながら、そのせいでビクリ、と体を震わせて後退りした彼を見て、
「ほらね」
彼を指をさして呟いた。
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