序章

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「不老不死なら、死ぬ事を怖がる必要はないよ」 腕を下ろし、地面に突き刺さっている刀を掴んだ。 そしてシオンは、地面を蹴った。 「ひっ」 怯えて後退る男に刀を強く握って横に振った。 刹那。 ごろん。と、男の首は地面に落ちた。 そして男の体は、首から大量の血を噴出して地面に倒れた。 「だから、言ったろ?君は、不老不死じゃないって……」 シオンは、崖から男を見下ろしていた。 男が倒れる一瞬の間に崖に登り、小さくなった男を見下ろして笑った。 「アハハハハ。だから言ったろ!お前は、不老不死じゃないってな!?ちゃんとシオンが教えてやったろ?」 馬鹿な奴だな。と、呟きながらシオンの体は笑った。 シオンの体の中にいる別人格の一人、龍がなぁ? と口元をつり上げて言った。 「まったくだよ。シオンの言う事を信じて逃げていればよかったのに………人は馬鹿だね」 違う別人格の一人ーレオが片手で肘を支えながらもう片方の手で顎をおさえながら、 「まぁ僕には関係ないからいいけどね」 血の水溜りと化した、男の大量の血を見下ろしながら、死んだ今も怯えている顔を見て笑った。
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