第一章

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(そうかもしれない) ドラマの撮影や映画の撮影。PVの撮影。写真集をだすために撮影。 そのせいであまり寝る事が出来なかった。 ライブがなかったのが幸いだ。 もしこの状態でライブがあれば、倒れていただろう。それ位忙しかった。 (CDをだす、とかだったらもっと忙しかったな。だす事にならなくてよかった) ホッと安堵しながら小さく微笑んだ。 それはすぐに消え、眉間に皺を寄せた。 「どうしました?」 眉間に皺を寄せたまま首を横に振り、 「なんでもないよ」 と、お疲れ様、と言って用意されている部屋に入って溜め息をついた。 『なにかあった?』 体の中から聞こえてくる声に溜め息をつきながら、首を横に振る。 『疲れたんじゃないのか?』 先程より低い声が体の中に響く。 声で心配している事がよくわかった。 「大丈夫だよ」 微笑みながらそう言えば、 『あまり無理すんなよ』 と、たいして心配していない声が聞こえた。
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