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疲れていたのかリアラは家に着くと倒れ込むようにベッドに倒れ込む。
グランはそれを見届け、ゆっくりと戸を閉めて自分の家へと帰った。
その夜。
「よぉ!グラン」
リアラがグランの家を訪ねていた。
「もう体は大丈夫なの?」
心配そうにリアラに近づき、尋ねる。
リアラは誇らしげな顔をして言った。
「当たり前だろ! 俺を誰だと思っているんだ! リアラ様だぞ」
こんな冗談を飛ばせるなら心配ないと思ったのだろうか。グランの顔が笑顔になった。
「なぁ、グラン」
たわいもない会話で数分過ぎただろうか、先ほどまで冗談を言っていたリアラとは雰囲気が一気に変わり覚悟を決めたかのように強い口調で言葉を発した。
「何?」
真剣な話と感づいたのかグランもリアラに体を向け問い掛けた。
「一緒にナスカを助けに行こうぜ。王都に行って勇者団を結成するんだ。そうしたら報酬ももらえてナスカの情報を探りながら旅を続けられる」
リアラがそう言い出すのをわかっていたかのようにグランは俯き考え込んだ。
それから何も言わないグランにリアラが痺れを切らす。
「なぁ? 一緒に行こうぜ? お前も勇者団を結成したがっていただろ?」
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