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そして翌朝。
「本当に行くんだな?」
村人達が見送りに駆け付ける。
「あぁ、学校も大事だけど今の俺達には守らないといけないものがあるんだ」
学生であるリアラ達が心配なのか村人達が声をかける。
「絶対ナスカを連れて帰ってくるから」
村長に向かってそう伝えるリアラに村長が口を開いた。
「よろしく頼む。あと、約束のお前の父親の事だが……」
その村長の言葉を遮り、リアラが言う。
「いや、言わなくていい。旅をしながら探すさ。だってこの世界にいるんだろ親父が。俺はナスカを助ける為に旅に出るんだ。そんなよそ見はしてられねぇ」
村長はどこか悲しげな顔をするも、リアラは気づかずに背を向け村の門まで歩きだした。
村人らに見送られ二人は村の外へと出る。
「王都への道は南の洞窟を通らなきゃいけない」
地図を広げ、王都までの道のりを確認する。
「グラン。本当にいいんだな? 当分もどれないぞ?」
リアラは真剣な顔で最終確認をする。
「どうせ僕はどこにいても一人さリアラについていくよ」
そうでなくちゃと言わんばかりに意気揚々と村を飛び出す。
「さぁ、出発だ」
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