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舗装された道を数時間歩くと洞窟が見えてきた。
王都までの道のりは商人が通る事もあり舗装されている。途中にある洞窟も危険はなく夜でもなければそうそうフォッグレスと出会う事もない。
それを知ってか二人のあしどりも軽く、今までに学校の教科書でしか見たことのない洞窟を目の前に目をまんまるくし、気持ちが高ぶっていた。
「これが洞窟か」
入口から続く暗闇を覗きながら言う。
「昼間なのに中は暗そうだね。ちょっと待って明かりをつけるね」 グランはそういい、杖と魔法書を取り出した。
「あんまりこの魔法は使わないから覚えていないんだよね。確か初級魔法の所にあったと思うんだけど」
魔法書の最初の数ページをめくる。お目当てのページが見つかったのか真剣に読み出した。
「初級魔法くらい覚えとけよー。俺が魔法苦手なのはわかっているだろー」
早く洞窟に入りたいのか急かす。
「うるさいよ。集中できない」
グランはそういうと杖を右手に握り直した。
『ライト』
グランのもつ杖の先端が強く光を出した。
「良かった。できた。さぁ、行こう」
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