23人が本棚に入れています
本棚に追加
「人間か」
炎を身に纏ったそいつは言った。
「しゃべった? って事はミストレス」
グランが後ずさりする。
「こんな時にミストレスかよ!」
二人は後ろへと一歩一歩下がっていく。
「待ちなさい」
ミストレスが二人を呼び止める。
恐怖のあまり二人の動きがとまる。
「私の名前はサラマンダー。襲いはしない。怖がるでない」
サラマンダーと名乗るミストレスの意外な言葉にリアラとグランは目を丸くしてお互いの顔を見る。
「右側の黒髪の青年」
サラマンダーがリアラを指差す。
自分の事? と疑問に思いサラマンダーを見て自分を指差す。
頷くサラマンダー。
「背中に背負っている剣はランデェーの剣では?」
「そうだけど? 知ってるのか?」
「あぁ、かつて一緒に旅した仲間だ」
その後サラマンダーとの話は続き、ランデェー勇者団の一員であったガルテンの召喚魔であった事。魔王を倒した後に封印は解かれ自由の身になった事。
「翼竜と久しぶりに顔合わせしたい」
「実はまだ翼竜を完全に召喚魔として操る事ができていないんだ」
最初のコメントを投稿しよう!