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「久しぶりだな翼竜」
数十年前を思いだし、懐かしんでいるようだ。
「そろそろこの子を使って暴れるのはやめるんだ」
「お前とは違いまだ我は封印されているんだ。自由の身ではない。それに我はこの弱者の下部になる気はない」
リアラを見下ろしながら当てつけのように言う翼竜。
リアラは何も言い返せない。
「こいつらは強くなる。一緒にまた旅をするのも悪くない」
「一緒に旅をするってどういうこと?」
グランはその言葉の意味を理解できずに聞き返す。
尽かさずサラマンダはすぐにグランの持っている杖を指差した。
「正気か? サラマンダー。何もこいつらに力を貸す必要はない」 翼竜はサラマンダーが何をしようとしているのかを知っているのかやめるように促す。
「魔王が復活すると我々みたいな一度人間に仕えたフォッグレスやミストレスには住みにくくなる。それが困るだけだ」
それには同意をする仕草をする翼竜だが、多少納得しないまま剣の中へと戻っていった。
「勝手に話が進んで僕には意味がわからないんだけど……」
グランがそう言うとサラマンダーはグランの目の前へ行き、再度杖を指差してこう伝えた。
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