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夢
この世界と自己の境界線。
ぼんやりとした光と薄れゆく闇のマーブル。
何とも言えない心地よさのある浮遊感。
視界の中に現れる人影。
俺の姿。
夢の中では自らを三人称視点で見ることも難しくはない。
笑っている俺。
俺とは誰だ?
東雲鷲。
皆からはマトリと呼ばれている。
ただの人間だった男だ。
『人間だった』
そう。過去の話だ。
今の俺は人間ではない。
別に幽霊ってわけでもない。
俺は……。
魔神だ。
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