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その声に弾かれるように顔をあげる
「ようッ!」
何が起きた
これが最初に一貫の脳を巡った言葉だった。
「ようッ!!!」
誰だ 誰に声を駆けている?
「ようッ!!」
見上げた先の顔の視線の先は確かに自分をみている
「ようッ!!」
つまりは、この挨拶は自分に向けられているのだ
ならば、自分が答えるべきだろう
だから
「ども」
と漏らした。
雨音に消されそうな音量で
そして男はニヤリと笑い
「やっとか」
相変わらずのカラッとしたこえでケラケラと続けた。
「流石に挫けそうになったぞ」
あぁ
どうして僕の周りはこんなのばかりなのだろう
見ていて眩しい
近くにいるだけで
消されそうだ
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