a happy birthday

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その重さにより、言葉が思うように上がってこない。 「答えたくないか」 一貫は震えながら、懐に抱いた猫を更に強く抱きしめる。 「それとも、解ってはいるが言葉に昇華出来ないだけか…」 ニヤリと無邪気に白い歯を見せるが 男がかける眼鏡が白く光り、その内の目は遥か彼方へと消える。 「じゃあ、俺が変わりに答えてやろうか?青年」 一貫はここまでのやりとりで既に確信していた。 「青年の整理仕切れない心の内を」 コイツハホンモノダ 「代弁してやろうか?」
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