a happy birthday

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「そうだな、確かにそうだよ。そこは人も神も同じだ」 相変わらず濡れた気配のない男 「だからこそ青年は青年なんだ」 訝しげな表情を浮かべる一貫 「別に俺は乃木崎 一貫って言う名前がわからねーから青年って呼んでる訳じゃぁないのよ?青年」 もう名前が割れていると言う事実だけでは驚きはしない。 「青年は過去から学び成長するって言ったな?つまりはまだまだ伸び代がある程青いって事だ。自覚するほどにな」 悪戯な表情が浮かぶ 「でもそんなの大人だってそうでしょう?」 「そうだ!その通りだ!」 楽しくなってきたのだろうか、話し方にも勢いがついてきた。 「ハゲ始めた中年も、今天寿を全うせんとしている老人さえも、自覚するほどの伸び代をもつ青年さ」 白い歯を見せびらかすように笑う男 犬歯が目立つ。 「まぁ確かに青年よりは完成されているだろうがな?」 と男は付け足す。
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