2人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだな、確かにそうだよ。そこは人も神も同じだ」
相変わらず濡れた気配のない男
「だからこそ青年は青年なんだ」
訝しげな表情を浮かべる一貫
「別に俺は乃木崎 一貫って言う名前がわからねーから青年って呼んでる訳じゃぁないのよ?青年」
もう名前が割れていると言う事実だけでは驚きはしない。
「青年は過去から学び成長するって言ったな?つまりはまだまだ伸び代がある程青いって事だ。自覚するほどにな」
悪戯な表情が浮かぶ
「でもそんなの大人だってそうでしょう?」
「そうだ!その通りだ!」
楽しくなってきたのだろうか、話し方にも勢いがついてきた。
「ハゲ始めた中年も、今天寿を全うせんとしている老人さえも、自覚するほどの伸び代をもつ青年さ」
白い歯を見せびらかすように笑う男
犬歯が目立つ。
「まぁ確かに青年よりは完成されているだろうがな?」
と男は付け足す。
最初のコメントを投稿しよう!