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「僕 ですか…?」
「私は『のぎざき かずぬき』と言ったんだ。もし、それがお前の名前だとしたら、そういうことになるな」
と、少し威圧的な口調で、強い意志が宿りそうな少しつり上がった目に、黒髪長髪直毛の女性が声を発する。
「相変わらずのひねくれた言い回しですね」
軽い溜め息をはく一貫。
「相変わらずのぼんやりっぷりだな」
と強気な目をさらに強くして言葉を吐く女性。
「そんなに妄想(ゆめ)がみたいのならそのウザったい前髪を切ったらどうだ?」
悪戯に笑う女。
「きっと、もっといいものが見えるようになるのではないか!?」
もし
もしも、それが本当の事なのだとしても
結局、最後に映るのは情けない自分だ。
結局絶望する事になってしまうのだから
見えた光が眩しい程それは大きくなってしまうのだから
そんなもの見えなくていい
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