ネコという女

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日曜日…俺はなんとなく古着屋を開ける気がしなくなり、港町まで行った あのバーの近くの公園でサンドイッチとコーラを飲みながら海を見ていた ふと後ろに人の気配がした 『あのね…ここは私の特等席だから代わってくれる?』 ネコだった 素顔の彼女はますます猫に近い… 『あ、ごめん』 俺は慌ててベンチから立ち上がり隣に移った ネコはバスケットからおにぎりを取り出して、海を眺めながらこういった 『あなたお客さんよね。腕のタトゥー…いつも気になってた』 『気付いてたの?』 『うん…綺麗だなって』 『親には外道って呼ばれたよ(笑)』 『呼ばれるだけいいじゃない。私なんか…全身タトゥーいれても、誰も何も言わないわ』 『いないの?親』 彼女は笑って頷いた
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