463人が本棚に入れています
本棚に追加
未だ慣れない帰宅路…
なんだか落ち着かなかった……。
だけど曲がり角を抜けると見えてくる…畑の間を通る小道は
長野に遊びに来る度によく通っていたらしく
覚えてはいないのに不思議と懐かしく感じられた…。
小道に入ると…
いつも自転車から降りてただゆっくりと歩いた…
草木に囲まれたここの景色も勿論好きだった
だけど小道を抜けるともうすぐ家で…。
それが嫌で
いつも自転車から降りた…。
気をつかいすぎる祖父母
なんだか…息苦しい。
学校にも…家にも
自分の居場所なんてない……。
小道の真ん中で足を止めて
そっと目を閉じる……。
薄れた幼い頃の記憶を辿る…
盆休みに父親と二人でよく来た祖父母の家
祖父母は本当に可愛いがってくれた
今でもこの耳に残っている…
「圭くんは おじいちゃんの大事な大事な天使さん だからなぁ」
あの優しさに満ち溢れた言葉が……大好きだった。
でも今は……昔と違う。
大切にしてくれているというよりも…
無理に気をつかっている…。
拭えぬ違和感がいつもあって
あんな祖父母の顔を見たくなくて………
家に帰るとすぐ自分の部屋に閉じこもってしまった…。
なんだか…寂しかった……
自分のせいで…余計に気をつかわせていることくらい分かっていた
だけど…素直に甘えられない自分がいた
ううん…
違うんだ
本当は気付いて欲しいだけなんだ…
独りになった
自分の事に……。
最初のコメントを投稿しよう!