第1話 ムラサキカガミ

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「ちょっと真奈美、何ボーっとした顔してるのよ」 不意にそう肩を叩かれ声をかけられた 目の前には小学生の頃からの私の親友である唯ちゃんが立っていた 「唯ちゃんはいいなぁ…相変わらず綺麗で大人っぽいね」 「またそんな事言ってるの!真奈美だってあと2年か3年もすれば私みたく胸大きくなるよ」 「胸とかじゃないよ!私も唯ちゃんみたいにもっと落ち着いた 女の子になりたいんだよ。そりゃ身長も胸も欲しいけどもっと唯ちゃんみたいに完璧になりたいんだよ」 「完璧って…おいおい私はまだ真奈美と同じ中学3年生だぞ。完璧どころかまだ義務教育、世間的にはまだ子供だぞ」 そう言って唯ちゃんは苦笑した 確かに唯ちゃんの言う通り中学生なんてまだまだ子供だ それが大多数の中学生の女子だ でも何事にも例外は存在する そして唯ちゃんは数少ない例外だと私は思う 実家は親子代々の医者の家系 もちろん唯ちゃんも頭が良い それだけならまだしも唯ちゃんは15歳にしてファッション雑誌のモデルをしている 大人向けの雑誌だから私はたまに立ち読みする程度だがそこに載っている唯ちゃんは他のモデルさん達と比べなんの遜色もない 顔よし、スタイルよし、頭よし、おまけに実家は名家 もちろん性格は落ち着いてる こんな中学生探してもそうはいる物じゃないと思う そんな唯ちゃんは勿論自慢の親友であるが私の目標でもある 唯ちゃんみたいな大人っぽい女の子…私はそうなりたい
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