1人が本棚に入れています
本棚に追加
「真奈美は相変わらずだな~でもそんな真奈美にプレゼントだ」
そう言って唯ちゃんは鞄の中から小さな包みを取り出した
「別にたいした物じゃないからまあ開けてみてよ」
出てきたのはリップクリームだった
ほんのりとピンク色がかかってなんだかとっても可愛い
「撮影の時に貰ったんだけどさ今度出る新商品なんだ、私が使っても良いんだけどさ真奈美ってこういう一つもないじゃん? まあ折角だから使ってみてよ」
「いいの??」
「うん、真奈美だって化粧すればもっと大人っぽくなると思うからさ使ってみてよ」
せっかく貰ったのだから早速私は使って見る事にした
お婆ちゃんの形見の紫の手鏡を鞄から取り出して唇に塗ってみる
正直言って化粧なんて人生初めての経験だ
ただリップを塗っただけだから化粧なんて呼べない代物だけどなんだか私は少し大人になった様な気がした
実際鏡の中に映ってる私はいつもより二つか三つは大人びて見える
その自分の姿を見てなんだか私はとても嬉しくなり唯ちゃんに抱きついた
これであの人に少し近付ける
少しはあの人と釣り合う大人の女になれる
私は嬉しかった
少しでも大人になった事が嬉しかった
最初のコメントを投稿しよう!