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「奥州伊達家の血を引く麗艶の舞姫と呼ばれる藤花が欲しいと言って来ました。
勿論、くれてやるつもりはないですけどね。
松永久秀という男は政宗様もご存知のはず。
・・・万が一の時は、沙夜と離縁をして伊達家に藤花とともに戻らせます。
その旨、頭の片隅に置いてくださいませ。」
差し出された書状を受け取るのを確認してから後ろに下がり、
再び合い向かいになるように座りなおす。
松永久秀からの書状を読むために政臣から視線をはずし目を通す。
俯いていた為に政臣と呼ばれた男の表情は見て取れないが、
発せられた言葉には悲痛な思いが汲み取れた。
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