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「じゃあ帰りにウチ寄っていこっか。有り合わせで良いならなんか美味しいもの作ってあげる」
彼女は垂れ気味の目を更に下げて微笑みました。なんて素敵な提案なんだ!
「うん、行く行く。行きます!」
僕はエンジンをかけました。ちなみに僕のテンションもフルスロットル。彼女の手料理は男の夢ですよねっ。
僕は彼女の家を目指して車を走らせました。最後に猫の鳴き声が聞こえた、……気がします。
***
この時の僕は自分がツカレヤスイ――憑かれやすい体質だということに気付いていませんでした。今考えると僕はなんとすごい思い違いをしていたのでしょう。まさに能天気な考えしか持っていなかったのです。そして思ってもみなかったのです。
まさか、とんでもなく非現実的な日々が待ち受けているなんて。
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