過ぎ去る日々

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俺は安物スピーカーから流れるお気に入りのアルバムを聴きながら、タウンワークを開いていた。 『何かいいバイト見つかった?』 「いやぁ、なかなかないなー」 10時頃に目が覚めると、すでにクッキーはどこかに出かけていた。 何となく行き先は予想できるけど。 俺たちはコンビニへ向かい、適当に食べ物を買った。 コンビニから出る間際に今日発行のタウンワークが目にとまり、無料だし取って損はないと思い持ち帰った。 「偶数日の即日バイトって条件だしなぁ。登録制バイトとかやったことないから、勝手がわかんねぇや」 『ごめんね、私も働ければ働くのに・・・』 「仕方ないって、身分証とかどうしようもない問題もあるし。その代わり元の身体に戻れたら飯おごるって約束、忘れるなよ」 『そ、その時はもっと沢山お礼するよ!』 「ふぅん。じゃあ、元の身体で一晩俺と寝てくれる?」 冗談のつもりで言ったが、しまったと思った。
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