愛の実験室-LOVE-LABORATORY

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 団塊の世代の神とさえ言われた、鉄鋼業界のドン、大川 八郎太。  彼が突然マスコミを使い、パソコンまたは携帯電話のインターネット上にて『一億円の賞金をかけたレース』を開催する!と宣言した。  内容は“究極の愛”  場は彼が用意したHP『LOVE-LABORATORY(愛の実験室)』にて、行われる。  参加者はアバターと呼ばれる自信の分身を取得。究極の愛をHP上の日記に記してゆく。  日記は参加者以外でも閲覧することが出来、参加者(これからはアバター)を批評出来る。批評に関して一切の制限はない。アバターにしても閲覧者(これからはオーディエンス)にしても完全匿名制である。  期間は一年。そして、優勝者に関しては主催者である大川の独断で決まる。  この無謀とも思える試みは、開始三日間で賞金の一億円を超す経済効果をネット社会にもたらした。日本国内だけではなく海外のマスコミも大きくこれを取り上げた。鉄鋼王大川の名前は国内外に知られた存在だったからでもある。が、それだけではなかった。金と愛。世界中の人間が追い求め、そして他人のそれを卑しく見る。まさに人の業がそこにあった。  …20XX年5月15日午前0時。ここから、愛で金を争う究極のアイソトープ(現在進行してしまっている矛盾)がはじまる!
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