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啓一郎『……っということだ…』
啓一郎は一通り話しを終えると恥ずかしそうに人差し指でポリポリと頬をかく。
それを聞いた佑は顔を伏せてプルプルと震えていた
啓一郎『お、おい!人がせっかく話してやったのに笑いを堪えてる場合か!』
しかしその瞬間、佑はバッ!!と顔を上げ、とても笑っている表情ではなかった。
むしろ顔色が真っ青である
佑『お…俺は…なんてことを…俺がしっかりあいつの話しを聞いてればこんなことには…………やべー…あいつを泣かせちまったよ…』
啓一郎『だから謝りに行けと言っただろう!今回はお前の勘違いということで許してやるが、次も泣かせるようなことがあったらお前を殴りに行くぞ!』
佑『お、おう!俺きちんと謝るよ!許してくれるかわからねーけど、悔いが残るのは嫌だから……………啓一郎!お前には感謝してる!ありがとな!』
そう言うと佑は教室を飛び出して行った。
一方その頃、***は学校の非常階段にいた。
***『うぅ…ヒック…佑…私…本当はあなたのこと嫌いじゃない…あんなに佑の怒った表情を見たのは初めて……きっと私たちはもう終わり…どうしよう…寮にも帰りずらいよぉ…』
すると、非常ドアがバン!!っと勢いよく開き、びっくりした***は何事かと振り向く。
***『きゃ!!だ、誰!!!』
ドアを開けたのは佑だった
佑『ハァ…ハァ…あ!!***!!ここにいたのか!!』
***『ゆ、佑!?』
すると佑はおもいきり***を抱き寄せた
***『!!!』
佑『…ごめん!!啓一郎から話しは聞いた!!俺の勝手な勘違いでお前を泣かせちまって…!!!許してくれなくてもいい!!!俺、あんなこと言っちまったけど本気じゃないんだ!!!本当にごめん!!!』
佑は震えていた
その振動は***にも伝わってきている。その言葉を聞いた***はブワッと涙が溢れてきた。
***『ゆ、ゆうぅ…私もあんなこと言っちゃったけど…本当は私も佑が大好き……私こそ…ごめんなさいぃ…』
佑『な、なんで***が謝るんだよ!俺のせいで、辛い思いをさせた俺が悪いんだ!』
***『うぅん…佑が戻ってきて嬉しかった…』
佑『え?許してくれるのか!?』
***『私は大丈夫だよ…』
佑も涙が溢れる。
佑『よ、良かったぁ!!!俺もぅ駄目かと思ってた…!!!』
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