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「じゃあな」
まだ唖然とし固まってるティセラに短くそう告げ、近くに在った手術台らしき物の横に置いてある新しい義手を掴み、俺はティセラの脇を通り抜けて出口まで来た。
「雨雫。後は頼む」
「分かってやすよ」
直後、扉が俺達を隔てた。
「……行くか」
適当に腕を引っ付け、誰もいない廊下を俺は進む。
これでいい。
元々馴れ合いは好きじゃねぇ。
関わる事が無きゃ、そいつとの別れを惜しむ必要がねぇからなぁ。
人は……脆い……そして、俺は……余りに強い……
周りのヤツを殺してしまう程に。
この辺りなら翔び出しても問題ねぇか。
雨雫の家だ。
まさか天井に穴開いたくらいじゃ潰れんだろ。
「………!」
ん?
今何か聞こえた気が……
まぁ、なんでもいい。
『虚帝による飛翔』
(レストフラップ)
あらゆる数字を変化させる無敵の翼が現れ、俺はそのまま天井をブチ破って宇宙にまで飛び出した。
誰も居ない、暗く、冷たい宇宙へ。
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