NewChapter―Ⅱ†鼓動…

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  「………」 一度なにかガコンって音がした気がけれど、肝心のヴィンセントの声はしない。 何の音も鳴らない。 「うッ……ヴィン、ヴィンセント……」 静寂と暗闇が支配する廊下で、私の頬からはポタポタと大粒の涙が零れ落ちて服を濡らす。 何故だろう……涙が……涙が、止まらない…… 「ウッ……ヒック、ヴィンセントの……バカァァア!」 こんか気持ち、初めてだ。 何でこんなに悲しいんだろう? 何でこんなに苦しいんだろう? 何でこんなに淋しいんだろう? 約束……したのに……ずっと守ってやるって、言ったのに…… 「バカバカバカ、バカー!」 「誰がバカだって?」 えっ……? 「ヴィン……セント……?」    
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