1743人が本棚に入れています
本棚に追加
/476ページ
「………」
一度なにかガコンって音がした気がけれど、肝心のヴィンセントの声はしない。
何の音も鳴らない。
「うッ……ヴィン、ヴィンセント……」
静寂と暗闇が支配する廊下で、私の頬からはポタポタと大粒の涙が零れ落ちて服を濡らす。
何故だろう……涙が……涙が、止まらない……
「ウッ……ヒック、ヴィンセントの……バカァァア!」
こんか気持ち、初めてだ。
何でこんなに悲しいんだろう?
何でこんなに苦しいんだろう?
何でこんなに淋しいんだろう?
約束……したのに……ずっと守ってやるって、言ったのに……
「バカバカバカ、バカー!」
「誰がバカだって?」
えっ……?
「ヴィン……セント……?」
最初のコメントを投稿しよう!