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業火が渦巻く中、MAXさんは舐め回す炎の感触を楽しむかのように舌を出しながら私に歩いてくる。
「フヒヒヒィ今のアンタを見りャオ~ヤジさんもビックリだぜェ~?」
「う、ウソ……うわっぷ!」
空間に入った物質全てを強制移動させていく転移領域。
事実、これのおかげで私は爆風も熱も凌いだ。
なのに、MAXさんはまるで無視して入ってきた。
その際、転移領域も破壊されたのか瞬く間に爆風と爆炎が襲いかかる。
「あ゙っ……うぅ」
肺が……焼ける!!
ガスを吸ったせいか、朦朧とする。
「ヒャハハハ! どォやら“完成”ァしててもま~だ“完了”ァしてねェみてェだナ」
「完成?……完、了?」
熱の酸欠で朦朧とする意識の中、意味不明なMAXさんの発言が耳を通り過ぎていく。
そんな時、どうやら騒ぎを聞き付けたらしく、ようやく救護隊らしき人達が防護服に身を包み、炎を掻き分け私達の元へやってきた。
「ヒャハハハ随分と早ェじャねェか」
「大丈夫ですか!?」
「ゔぅッ……はッ」
これが……大丈夫に見えるの!?
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