NewChapter―Ⅱ†鼓動…

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  「にょほほほな~んて、実はあッしでした~」 「うし、ずく……さん?」 私の肩を叩いたのは紛れもなくウシズクさん。 でも、その声は間違い無くヴィンセントのもの。 「“声寄せ”って言いやしてね、スパイにはこんな技術も必要なんッスよ」 「は、はぁ」 相変わらずヴィンセントの声でウシズクさんが喋る。 なんだか変な感じ。 「……さて、ティセラさんも泣き止んでくれたことですし、そろそろルージュさんの所に戻りやしょうや」 「あ、はい」 そういえばいつの間に泣き止んだんだろう? ウシズクさんに話しかけられた時ぐらいから? あれだけ泣いていたのに、ほんの少し話しかけだけで宥められてしまった。 相変わらず謎な人ね。 「ティセラさ~ん。一度迷っちゃうと木乃伊に成っちゃうかもしれやせんよ~」 「あ、はい。今行きまーす」 いけない。 置いて行かれるところだった。    
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